「草の根交流」が築く日豪の絆

 私たちのセミナーも今年で第30回。第1回は1977年でした。日本とオーストラリアの関係は資源貿易という経済的なつながりから、APEC(アジア太平洋経済協力)などの国際政治、アフガン、東チモールなど地域の安全保障活動、観光、文化など幅広い分野に拡大しました。しかし、二つの国を本当に結ぶのは、さまざまな活動を通して触れ合った人と人のつながりです。今回はそんな両国のつながりを草の根の視点から見つめなおします。


と き:
ところ:

主 催:
後 援:
協 力:

2009年6月6日(土)〜6月7日(日)
八王子セミナーハウス(大学セミナーハウス)

日豪合同セミナー実行委員会
オーストラリア大使館
日豪ニュージーランド協会(JANZ )、MLA豪州食肉家畜生産者事業団、
男声合唱団コールファーマー







開催主旨

問い合せ:E‐mail:info-jajs30@wallabytrack.com 
掲示板 :セミナーに対するご意見、ご質問、その他、何でもOK。
mixiの日豪合同セミナーコニュニティ





参加申し込み方法



プログラム

6月6日(土)
12:00〜 受付開始 【講堂】
13:00〜 開会
【講堂】
13:10〜14:10 基調講演
Richard Andrews
(オーストラリア大使館政務担当公使)
【講堂】
14:10〜14:40 講師紹介、セミナー・ハウス利用の諸注意
【講堂】
分科会(各セミナールーム)へ移動
15:00〜17:30 分科会 【各セミナールーム】
18:00〜19:00 夕食 【食堂】
19:00〜21:00 ワインパーティー
(コールファーマー合唱、抽選会など)
【講堂】
6月7日(日)
8:00〜 9:00 朝食 【食堂】
9:00〜 映画「愛の鉄道」を見る 【講堂】
12:00 閉会



分科会(参加申し込みの際に受講希望分科会をお選びください)

1 これからの日豪米中
福嶋輝彦(防衛大学校教授)
アメリカで8年ぶりの民主党オバマ政権がスタートし、前政権とは異なる外交を展開しつつある。一方で世界金融危機のなか中国の存在感は一段と強まっており、この二国はいまやG2とも呼ばれる。世界の構図が微妙に変化しているなか、これからの日豪関係はどうなるのだろうか?
2 新日豪EPAの行方
太田泰
彦(日本経済新聞論説委員)

2年前、締結へ向けて歩みだしたはずだった日豪EPA(経済連携協定)だが、その後、どうなったのだろうか?当初から日本の農業問題が障害になると予想されていたが、打開策はあるのか?韓国など積極的に協定締結に動く国々に比べて出遅れた感のある日本は大丈夫なのか?国際経済交渉を包括的な視点で論じる。
3 コール・ファーマーとカウラ
〜16回の演奏旅行から〜
団員たち

東京農業大学のOBを中心にした男声合唱団コール・ファーマーは、1977年から1年おきに渡豪し、各地でコンサートを開いている。カウラには第1回から訪れ、現地の人々との交流も深まった。30年余りの日豪歌声交流について写真や動画を交えて団員たちが報告する。
4 映画でつなぐ日豪
千葉茂樹(日本映画学校副校長)
千葉副校長は、日豪の学生が作った映画を鑑賞し、議論する「豪日学生映画フォーラム」を作り、日本やオーストラリアの映画をそれぞれの国で紹介する活動を続けている。日曜に上映する「愛の鉄道」を企画し、監督した。最近では「シネ・リテラシー」にも取り組む。映画の世界から見た日豪交流を聞く。
5 オーストラリア人が見た日本の英語教育
リース・モートン(東京工業大学教授)
中高6年プラス大学4年の10年間、勉強してもろくに話せない、と評される日本の英語教育。どこに問題があるのか?東工大外国語研究教育センター所属で日本語ペラペラのモートン教授と日本で英語を教えるオーストラリア人の先生が日本の英語教育について語る。
6 ライフセービング
相澤千春(日本ライフセービング協会)
ライフセービングとは水辺の事故をなくすことを目的にした活動のこと。日本でも約50年前から藤沢市の海岸で監視・救助活動は行っていたが、オーストラリア流のライフセービングと結びついてセービングのための体力を競う競技大会も開催している。国際委員会委員長の相澤さんがライフセービングの真髄を語る。
7 映画「オーストラリア」を読み解く
佐和田敬司(早稲田大学教授)
オーストラリア人の監督がオーストラリア人を主人公にし、オーストラリアで撮影した2時間45分の話題作。牛、砂漠、アボリジニ、日本軍のダーウィン爆撃などいろいろな要素が盛り込まれたこの作品を文化史の視点から読み解く。
8 ワーキング・ホリデーを考える
(フリートーキング)
日豪間で「ワーホリ」が始まったのは1980年12月。「仕事より遊びが中心」「現地に溶け込んでいない」など厳しい声も時に聞かれる。実際にワーホリに参加した人々は、この経験をどう評価しているのだろうか。経験者が集まってフリートーキングする。ワーホリを検討している人は参加すべし。

映画「愛の鉄道」を見る

日曜午前は映画「愛の鉄道」を見ます。分科会でもお話いただいた日本映画学校副校長の千葉茂樹監督の作品です。

クワイ河マーチで有名な映画「戦場に架ける橋」で描かれたのは「死の鉄道」、泰緬鉄道建設で日本軍に虐待された連合国軍兵士の話でした。多くの若い兵士が命を失い、オーストラリア側の日本に対する憎悪は根深かったということです。しかし、「死と憎しみの鉄道」ではなく、「愛の鉄道」を両国間に敷こうと立ち上がったオーストラリア人神父がいました。まさに草の根交流の原点を示すような映画です

映画を見た後は、千葉監督のお話を聞くほか、前日の分科会の総括も兼ねたフリートーキングです。


*プログラムの内容は都合により予告なく変更になる場合がありますので、あらかじめご了承下さい。





参加者からの分科会レポート
第27回参加者から分科会レポートを
紹介いたします。
参加者からのレポートを募集中です。


第27回 日豪合同セミナー 分科会3
日豪FTAの利点と問題点

講師 野澤 康二(日本経済新聞社記者 前シドニー支局勤務)



◆FTAとは
自由貿易協定の略
関税引き下げ・撤廃をして貿易での障壁をなくすのが狙い。

◆EPAとは
経済連携協定の略
FTAには含まれない人物の移動、当市、知的財産など幅広い分野でのルール作りが出来る。

・オーストラリアのFTAの定義は、財・サービス貿易、投資や他の重要な分野を網
 羅している、日本のEPA(経済連携協定)と類似している。

◆豪州のFTAについて
締結済み・・・ニュージーランド(1983年)
        シンガポール(2003年)
        US(2005年)
        タイ(2005年)

協議中・・・・中国
       ASEAN
       日本
       アラブ首長国連邦etc
       

◆日本のFTAについて
締結済み・・・シンガポール
(合意済み含)マレーシア 
        メキシコ
        タイ
        フィリピン

協議中・・・・オーストラリア
       ASEAN
       湾岸協力会議(GCC)etc

◆貿易構造

豪→日・・・石炭・鉄鉱石・原油・牛肉
日→豪・・・乗用車(トヨタ自動車と三菱自動車がメイン)・コンピュータ
               ↓
    資源と工業製品を供給しあう補完的関係

・オーストラリアは国土22倍であるにも関わらず、農業生産額は日本の1/3である(興味深い!)
 広大な国土を利用して長年に渡り培ってきた技術を伝える事で、
 日本は近年輸出を視野にいれた強い農業を目指し、
 国際競争力のある農業へと農業改革を進めている。

【タスマニア産の蕎麦/白鳥製粉株式?白鳥理一郎氏(分科会に参加されていました。)の例】

http://www.tas21.com/gourmet/soba_kaihatsu.htm


・オーストラリアでは日本からの輸入量の70%(自動車・ITにおいて)に関税を課している。
               ↓
EPA/FTA実現において、それらの課税品目の殆どにおいて関税撤廃、税率の引き下げの可能性がある。
               ↓
しかし、農産物、牛肉等安価なものに関税撤廃が実施されたら消費者は飛びつくかもしてないが高価な自動車、コンピュータ等に撤廃をしたところで、果たして大きな効果はあるのか。


◆両国におけるFTA
日本にとって
・豪米FTAによりUSからは以前の15倍にあたる8億豪ドル相当の投資が
 無審査になり、新規分野の投資も無審査になっている。
 これに比べて日本からは、5千万USドル以上が審査の対象になっている
                 ↓
   FTA実現により日本からの投資の機会を拡大することが可能になる。
    
・米、牛肉等の関税撤廃は日本の農産物市場にとっては不利益
(米に関しては例外規定を設けるとの案もある)

豪州にとって
・牛肉等農産物等を関税をかけずに日本に輸出できる事が最大のメリット。
                  

◆まとめ
・結局のところFTAによる投資の面から見ればメリットはあるが、FTA最大のメリットである関税撤廃の面を視野にいれると、日本へのメリットはさほどないような気がする。
             
よって、経済産業省は貿易・投資推進/農林水産省は農産物問題があるため消極的/
財務省は中間的立場にて現在進めている。


◆その他
/豪州と中国との関係
・中国・・・豪州の資源確保に関心を抱いており、2005年からLNGを輸入する
 長期契約を結んでいる。
                     ↓
 豪州は核(ウラン)に対するアレルギーが強い為、原子力発電所がないにも関わらず、
       ウランを二酸化炭素が出ないクリーンエネルギーとして中国へ輸出。
                     ↓
             中国との連携を強めつつある。

        ジョン・ハワード豪州総理の日本への興味の変化
                (日本びいき→中国へ)

/近年の両国
・1960年代から緊密な関係を結んできた日豪は、APEC、東アジアサミットやASEAN地域フォーラムの主要メンバーとしてアジア太平洋地域の市場経済をリードするとともに、日本の国連安保保障理事会常任理事国入りを強く支援したり、自由民主主義の下で、テロとの戦いや核防止に果敢に取り組んできたが、
近年は貿易関係の問題等で両国間に微妙な温度差が生じている。

writtened by 藤原 麗奈

第27回 日豪合同セミナー 分科会5
オーストラリア観光の現状と新戦略

講師 堀 和典(オーストラリア政府観光局日本局長)



1.日本人の観光のトレンド
  (トータル)
  1996−2004 1600万人前後
       2005  1700万人

  トレンド:20代の女性がトレンドセッター

    女性:20代 2000年から2004年に向けて減っている。
        50代 増えている。
    <理由>人口減  
        海外旅行が夢ではなくなった。だれにでも手に届くところにある
        使えるお金が少なくなった。今はPC(インターネット)や携帯に使っている。
        昔ハナコ族が今は子ずれ旅行をしている

    男性:25−60代 まで一定の割合いで増えている。
    <理由> メインは仕事
         観光旅行者は少ない

2.日本人の観光旅行先
   1位:中国 ただし半分が中国 
   2位 韓国
   3位 ハワイ 150万人 昔は200万人いた。
         背景として、競争激化のため航空便が減っている。
         観光業としては儲からない。 辞める業者の増加
   4位 香港
   5位 タイ  伸びている
   6位 台湾
   7位 ?
   8位 オーストラリア 70万人 93年以降ほぼ同じ人数

3.オーストラリアの観光について
   渡豪目的 業務 4%
        観光80%
        雇用 1&

   航空会社の内訳
        JAL 34%
  カンタス 32%  日本との往復はこの2社だけ
              (アンセット航空が倒産したため)
        AA 22%
    シンガポール 4%

各国別観光客のトレンド(出国
    中国   111%増(1753万人増)
    韓国    46%増)
    オーストアリア 13%減(10万人減少)
    イタリア   23%減(1017万人減少)

4.日本人のオーストラリア観光のトレンド(5年間)
    ケアンズ     85%増
    ゴールドコースト 34%減
    パース      11%増
    メルボルン    6%減  
    シドニー     22%減
  <理由>オーストラリアへは50%以上がパッケージツアー利用
      パンフレットのほとんどがケアンズを前面に出している 
        (観光業者が一極集中で宣伝)
       近くて、安いから

    「行きたい」と「行く」は違う
    行きたいと思った人が行くような状況になっていない
    両者の数字にギャップがあってはいけない

  OL30歳国別データ
        豪  バリ  中国 ハワイ タイ 米国  EU
 行きたい   58% 67  75  76  77  75  69
 行った    36% 50  58  42  70  53  52
   <分析>
   ・タイは成功している。
    男がツアーがメインだったが、近年女性へのアピールを強め、観光客誘致に結びつけた
   ・オーストラリア、バリ、ハワイ、米国はうまくいっていない。

5.オーストラリア観光局の観光客誘致の挑戦!
   <反省>
   今までは地域で切っていた。
   例)ゴールドコーストのビーチ
     シドニーのオペラハウス
     ケアンズのグレートバリアリーフ  ありきたり過ぎ

  ・これからのパンフレット
   「ジャンルで分ける」
   カテゴリー ・世界遺産(全16箇所)
         ・フード
         ・体験 などに分類

  ・行く「目的毎」にアピール
   1位は変わらず旅行のパンフだが、友人向け
   2位は雑誌向け 特に特集を組む
    ・女性誌  CREAなどへの特集
    ・ニッチ   毛利衛さん 元宇宙飛行士:アデレード フレンダース大卒業
           (大のオーストラリア好き)
           オーストラリアで青い空を見て、宇宙に行きたくなった、という記事の掲載
           有森裕子 元マラソンランナー
           毎年ゴールドコーストマラソンに出場
           人々とのふれあいが楽しいので、マラソンに参加する。
    ・引退した世代
     ライフスタイルに訴える
    ・専門化へターゲット WinArt,花だけ、岩だけ
     →実際、そのようなターゲットにした特集雑誌をカンタスから発行

  ・旅行会社への教育
    オーストラリア向けの研修旅行の内容を変更:現地での体験型へ
       羊の毛刈りや、ワイン作り など 
    オーストラリアに行くと、本当に楽しいことを、売る側に感じてもらうことを狙う

  ・WEBにコミュニティーサイトを設ける。
   チャットルーム、ブログ、ワーキングホリデーを集めて、情報の蓄積を目指す

  ・TV番組の選別
   メインターゲットをCS、ケーブルテレビへ。(特集を組んでくれるから)
   メディアとの接触到達度分析
                    TV  Net CS  映画  滞在
   一般人(一般消費者全体)     96%  87  32  30  78
   一段と掘り下げようと思っている人 100% 187 133 178 133

・オーストラリア人が気が付いてなくて、オーストラリアが強みになっているモノ
   1)人(ライフスタイル、適当であること) マイトシップ、フレンドリー
     これほどフレンドリーでかつ安全な国は他には無い
   2)自然(しかも安全な自然)

以上を踏まえ、新しいCMを製作して、全世界に展開中 日本は3月27日から

  ポイント:1)地域で分けない。ジャンルで分けることを意識
       2)人(CMは素人起用)、自然を前面にアピール
       3)CMの英語を日本語に訳すと、
        「いろいろ準備したよ、で、どうして来ないの?(早く来なよ の意)」
        フレンドリーさもあわせて強調する

writtened by いとう さとし



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